M2 2020 年から我々は何を学んだか?

 


2020 年が暮れる。新型コロナウィルスの感染により、世界中の人々の移動と交流が制限された異常な年となった。職場でも、通勤、会議、出張、飲み会までもが制限された一方、リモートワークやオンライン会議などの新たな仕事スタイルが導入され、多くの人がそれまでの日常行動や計画を見直すこととなった。突然降りかかったこの劇的な社会変化から、我々は何を学んだのだろうか?

今回のコロナ対応には、国も、個人も、短期間に「プラン 」を立てる力が問われた。「プラン 」とは、当初の計画(プラン )を断念せざるを得なくなった時に打つ、次の一手のことだ。本来「プラン 」は、プラン と同時に準備するものだが、全く予期せぬことに対しては事態発生直後に立てることになる。出来事の本質を見極め、本当に達成したい(すべき)目的をしっかり肚に据えないと、限られた情報の中で短期間に「プラン 」を立てるのは難しい。

この種のプラン策定にも、定番のアプローチがある。①刻一刻と進展する事態の「情報を広く迅速に集める」。②情報を一か所(リーダー)に集約し、「現状を総合的に把握する」。③把握をもとに「取るべき方策を勇断する」。勇断するとは、さまざまな展開の可能性を考えた上で、良い点、悪い点が混在する選択肢の中から一つに決断を下すことだ。当面捨てるべきものは、捨てる。ここがいちばん難しい。さらに、④事態の変化に応じて、次に取るべき方策への「意思決定サイクルを機敏に回す」。この種の対応に、方針や計画がいつまでも同じことはあり得ない。新たに判明する事実をもとに、常により効果的なプランへと更新する。同時に、⑤意思決定の都度、その目的と理由を「関係者に伝え、理解を得る」ことだ。

文章にするとこうなるが、よほどの経験と訓練を積んでいないと的確な実践は難しい。今回のコロナウィルス感染に対する、国、地方自治体、企業、自分自身の対応についても、これらの点からチェックすると反省点が明らかになるものと思う。つまるところ、リーダー(個人)の資質と能力に依存するところが大きい。が、外してはならない鉄則がある。「二―バー*の祈り」と呼ばれる教えだ。

 “神よ、我に与えたまえ、
 変えることの出来るものを、変える勇気を、
 変えることの出来ないものを、受入れる平静さを、
 そして、その二つを見分ける知恵を。”

未知なものとの闘いには、不安がつのる。先ずは、自分がコントロールできることに集中することだ。コントロールできないものは与件として受け入れ、腹をくくる。加えて、私自身が常に心していることは、「未来は今より良くあるべきだ」というスタンスだ。これを乗り越えた先には、以前より明るい未来が待っている。この強い思いが行動を起こす力の根源となる。

「プラン を立てる力」と「前に進む勇気」。2020 年コロナ禍の中で、私が改めて心に刻んだことだ。来たる年が今の混迷から抜け出す希望の年となるよう、多くの友と共に、この先を目指したい。


*ラインホルド・二―バー:アメリカの神学者(1892 1971